2019年6月のある午後、FDAの検査官2名が、サンフランシスコの倉庫を訪れた。そこは、従業員15人未満、創業18か月のスタートアップBobbieの倉庫であり、約100名のベイエリア顧客を対象としたサブスクリプションの試験提供は10日前に始まったばかりだった。創業者たちはドイツ製の製品をウェブサイトやパッケージで「toddler formula」または「companion formula」と呼んでいたが、検査官が携行していたFortuneの記事を含む報道は、「infant formula」という表現をすべて強調しており、Bobbieを乳児用調製粉乳業界に位置づけていた。この業界はInfant Formula Actの試験・安全規則に従う。

警告とリコールが続いた。Bobbieは100名の購読者に電話をかけ、生産を停止した。創業者たちの推測によれば、FDAの警告とリコールを経験した米国企業としては史上最小規模の一つとなった。争うのではなく、CEOで共同創業者のLaura Modiは、購読者に宛てて、自社の表示とマーケティングが「誤解を招くものだった可能性がある」と認め、謝罪し、安全を最優先にするよう会社に指示した。従業員の大半は新米の親であり、彼ら自身もこの粉末の使用をやめた。

この対応が2つの重要なパートナーの心を動かした。数か月前にコールドメールを断っていたPerrigoは、Bobbieの透明性の高いコミュニケーションに気づいて連絡を取ってきた。現在はバーモント州で同社の調製粉乳を製造している。当初の240万ドルのシード投資を見送っていたWave CapitalのSara Adlerは、リコール後に投資し、FDAに対するチームの成熟した対応を「間違いなく投資すべき案件」と評した。Abbottで乳児用調製粉乳の規制業務を担当していたChristina Berberichを規制部門の責任者に迎えたBobbieは、2019年11月にFDAのシルバースプリング事務所を訪れ、刷新した米国のサプライチェーンについて説明した。

その結果、別の製品が生まれた。リコールされた処方は市場に戻ることはなかったとFDAの報道官が確認している。FDAの審査を受けた乳児用調製粉乳をヨーロッパ風のレシピで作り、2021年1月5日に24ドルで全国発送を開始した。

FDAの審査を受けた乳児用調製粉乳を、2021年1月5日から24ドルで全国発送。100名の購読者による試験提供から拡大し、Perrigoが製造を担当し、新たな機関投資家も加わった。

Modiは最大の誤りは、12か月以上の子ども向けにパッケージを表示せずにオンラインでのメッセージ発信に集中したことだったと述べた。「それは単なる見落としだった」。

規制当局と争えば会社は終わっていただろう。Adlerが述べたように、チームは自分たちが築こうとしてきた製品を擁護するのではなく、長期的な目標は何かを問うた。

米国では5年間、新しい乳児用調製粉乳が市場に出ておらず、EnfamilやSimilacといった既存企業には、少数精鋭のチームでは太刀打ちできない規制部門があった。そこでBobbieはそうした人材を雇った。

顧客に対する透明性が、Perrigoとの扉を再び開き、Wave Capitalを説得した。製造と資金調達を一度に解決したのだ。

規制当局があなたに対して動いたとき、公に非を認めることが成長戦略になり得る。透明性がリコールを、Bobbieが必要としていた製造契約と投資ラウンドに変えたのだ。

Bobbieは従業員12名で再発売した。彼らには合計19人の子どもがおり、そのうち6人は乳児である。従業員たちは再び自社製品を使用している。Modiは、当初の「companion formula」を押し進めていた場合よりも会社は強い立場にあると述べ、Adlerは、FDAが報道を受けて動かなければ、Bobbieは今の状況にはなかっただろうと指摘した。

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出典

  1. This startup tried to disrupt infant formula—and ended up with an FDA recall. Here's how it bounced back Fortune · fortune.com ·