変更された内容
辻本憲三は1979年にカプコンを創業し、1983年にアーケード基板メーカーとしてカプコンと命名した。息子の春弘は1987年に大学を卒業してすぐに入社し、営業を担当、1997年には家庭用ゲーム事業を統括する取締役となり、2007年7月に父から社長兼COOの肩書きを引き継いだ。父は会長として留任した。
春弘が継承した会社は作家性に依存していた。『バイオハザード』や『モンスターハンター』といったシリーズは個々のスター級プロデューサーに紐づいており、その人物が次のゲームを作らなければ次のゲームは存在しなかった。春弘はこの修正を率直に語っている。カプコンは各フランチャイズの中核人物と問題を話し合い、個人主導の開発を放棄し、すべてのタイトルを根本から作り直し、売上が一時的に落ち込む可能性を受け入れることに合意した。父自身のルールである「面白くなければ売れない」は、会社の公言する判断基準として残った。
その成果は積み重なった。2026年半ばまでにカプコンは9期連続で利益記録を更新し、この連続記録に並ぶ大手パブリッシャーは他にないと同社は述べている。2026年4月~6月期には売上が54.7%増の704.1億円、営業利益が66.9%増の410.5億円となり、営業利益率は約58%に達した。カタログタイトルは新作の約9倍売れ、RE ENGINEのツールチェーンがゲームを各プラットフォームへ展開し、新IP『プラグマタ』は最初の2か月半で250万本を販売した。これはチーム体制が既存フランチャイズを維持するだけでなく、新たなフランチャイズを生み出す証拠である。
達成したこと
9期連続の利益記録更新。2027年度第1四半期の営業利益は410.5億円で66.9%増。営業利益率は約58%で、業界平均のほぼ2倍。
うまくいった理由
各フランチャイズをチーム中心に再構築したことで、単一の制作者によるボトルネックが解消された。知識は一人の人物とともに去るのではなく、開発者間で世代を超えて受け継がれる。
再構築中の短期的な売上減少の可能性を受け入れたことで、カプコンは去っていく作家の周りをつぎはぎするのではなく、シリーズを根本から作り直すことができた。
創業者は会長として留まり、息子が会社を経営したことで、事業モデルを解体している間も社内での家族的正当性が保たれた。
自社エンジンと規律あるカタログ価格設定により、旧作が継続的な収益基盤となった。新作1本につき約9本のカタログタイトルが売れた。
応用できること
クリエイティブ企業を維持するには、仕事の組織の仕方を変える必要がある。知識を個々の作家から持続可能なチームへ移すことで、フランチャイズは特定の制作者を超えて存続できる。
その後
2025年2月にRE ENGINEで発売された『モンスターハンターワイルズ』は最初の1か月で1000万本を突破した。カプコンが長年ぶりに放つ大型新IP『プラグマタ』は48時間で100万本、2026年6月末までに250万本を突破した。価格はあえて59.99ドルに設定され、AAAの標準となった70ドルを下回った。カプコンは2027年度通期の売上2100億円、営業利益830億円の見通しを維持した。辻本憲三は会長として留任しており、息子が社長兼COO兼CEOとして、自ら築いたチーム体制の会社を経営している。
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出典
- 【VIPインタビュー】カプコン辻本春弘社長が語る創業43周年の歩み Famitsu · famitsu.com
- Capcom Boss Attributes Recent Success to Death of the Great Man Theory DualShockers · dualshockers.com
- カプコン、9期連続で利益記録を更新 『プラグマタ』成功とRE ENGINEが生む高収益構造を分析 財経新聞 · zaikei.co.jp ·