万華は1978年、中国政府からポリウレタン原料であるメチレンジフェニルジイソシアネート(MDI)の製造を命じられた国有の合成皮革メーカーとして出発した。中国では製造できなかった製品である。日本ポリウレタン(後に東ソーの一部)からプロセスをライセンス供与されたが、契約で提供されたのは設備と煙台での1万トン工場の建設支援のみだった。継続的な運用支援は含まれていなかった。

工場は1983年に稼働したが、万華の技術者たちがライセンス供与された設備を自力で動かさなければならなかったため、1995年までフル稼働しなかった。品質の低いMDIを作る赤字企業だった。工場技術者として入社した廖増太社長は、この挫折が、ほとんどの中国企業が研究開発を行っていなかった当時に同社を研究開発へと追い込んだと語った。「赤字で、MDIの品質も悪かった。だから選択の余地がなかった」。

万華は自社の技術者を維持し、当初の工場の生産量を年22万トンまで引き上げて2014年に閉鎖し、特許侵害で一度も訴えられたことのない独自のMDIプロセスを構築した。寧波に年産80万トンの世界最大のシングルトレインMDI工場を開設し、2011年には欧州での足場を得るためハンガリーの生産者BorsodChemを17億ドルで買収した。

2011年までに、煙台と寧波での増強を経て、万華は世界最大のMDI生産者となった。2015年の売上高は30億ドル近くに達し、ごく少数の欧米企業しか習得していなかった脂肪族イソシアネートやポリカーボネートへと事業を広げ始めた。C&ENは、無名の存在から化学分野の世界的プレーヤーへと成長した稀な中国企業だと評した。

2011年までに年産120万トンの能力で世界最大のMDI生産者となり、2014年には180万トンに達した。

ライセンス契約では運用ノウハウが提供されなかったため、技術者たちが自ら工場を運営しなければならなかった。

経営陣は、完全にパッケージ化された外国技術を購入するのではなく、社内研究開発への資金提供を続けることを選んだ。

独自のMDIプロセスにより、万華は特許で保護されたコストと品質の優位性を手に入れた。

靴や断熱材からの国内需要と、外国資産(BorsodChem)を買収する意欲により、世界的に規模を拡大できた。

サプライヤーがノウハウを開示しないとき、やむを得ず取り組むことになった資金不足の研究が堀になり得る——経営陣が赤字工場に挑戦を続けさせるならば。

万華は世界最大のMDI生産者であり、2014年までに能力を180万トンに拡大し、米国メキシコ湾岸に大型工場を計画している。中国とMDIへの依存を減らすため、ポリカーボネート、イソホロンジイソシアネート、プロパン脱水素へと多角化した。MDI価格と中国経済の減速により2015年の利益は29%減少し、ムーディーズが短期債務の増加を指摘したため、ポートフォリオの拡大を迫られた。

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出典

  1. C&EN profiles Wanhua Chemical, a Chinese firm that made it big in urethanes Chemical & Engineering News · cen.acs.org ·
  2. Wanhua Industrial turns gaze to Europe China Daily · chinadaily.com.cn ·