ルルレモンは小売業の好況期だった2007年7月に上場した。2008年4月時点でも依然として向かうところ敵なしに見えた。第4四半期の売上高は2倍超の1億510万ドルに達し、同年には北米で35店舗の新規出店を計画、アナリストは年間30〜50%の売場面積成長を予測していた。その春、スターバックス出身のクリスティン・デイがCEOのロバート・ミアーズの後任となった。

そこへ不況が到来した。既存店売上高は前年の41%増から、2008年度第4四半期には22%減へと落ち込んだ。上場から2年しか経っていない企業にとっては厳しい振れ幅だった。ルルレモンの対応は値引きではなく縮小だった。2009年度に北米で開設した純増店舗はわずか7店で、かつて2008年に計画していた35店には及ばなかった。そして数量を追って値下げするのではなく、定価販売と希少性を軸としたモデルを維持した。

この規律が底の時期を通じてブランドを無傷で保った。2009年度の既存店売上高は9%とプラスに転じ、営業利益は5660万ドルから8650万ドルへ増加した。2011年第2四半期には売上高が39%増の2億1230万ドルとなり、既存店売上高は18%増だった。株価はデイの就任時から約280%上昇していた。

既存店売上高は2008年後半の-22%から2011年半ばには+18%へと転じ、四半期の売上高は39%増の2億1230万ドルとなり、デイの就任後に株価は280%上昇した。

危機は定価で販売するブランドを直撃した。値引きをすれば、忠実な顧客にセールを待つことを教えてしまうため、同社は価格を下げるのではなく供給能力を削った。

出店計画を半減させたことで、若い小売企業が生き残るために必要な現金を温存できた。下落する市場に向けて拡大を買いに行くことにはならなかった。

希少性は意図的な方針となった。定番商品は在庫を切らさず、限定の特別販売で需要が供給を上回り続けるようにし、定価維持の規律によって、その後の回復は利益を伴うものとなった。

需要ショックの際、値引きは既存の顧客を金でつなぎ止めるだけで、その顧客とともにブランドを安っぽくしてしまう。縮小と希少性を組み合わせれば、回復期に向けて価格決定力を維持できる。

デイは2013年までルルレモンを率い、その期間の躍進によって同社は2007年上場組の中で際立つ存在となり、アスレチック・レジャーというカテゴリーを定義する企業となった。希少性を軸とした手法はブランドの販売方法の中心であり続け、値引きを始めるのではなく出店を止めた2008〜09年の判断こそが、利益率と神秘性の両方を保ったまま不況から抜け出せた理由となった。

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出典

  1. Christine Day Breathes New Life Into Lululemon Forbes · forbes.com ·
  2. lululemon athletica inc. Form 10-K, fiscal 2009 SEC EDGAR · sec.gov
  3. CEO of the Year: Christine Day of Lululemon Timothy Taylor (timothytaylor.ca) · timothytaylor.ca